車を売る前に必ずカーナビの初期化をしなければいけません。
カーナビには、位置情報などの多くの個人情報が含まれています。
もし車を売る前にカーナビを初期化しなければ、個人情報や音楽データなどが漏洩してしまい、著作権の問題などに発展する可能性があります。
本記事では、以下の内容を詳しく解説していきます。
- カーナビを初期化するべき理由
- カーナビの初期化の手順
- カーナビ以外に初期化しておくべきもの
- カーナビの有無で査定に影響はあるか
- カーナビを取り外す際の注意点
車を売る前にやることはカーナビの初期化する理由
カーナビの初期化は義務化されていませんが、冒頭でもお伝えしたとおり、多くの個人情報や音楽などの著作物データが入っているため、第三者の手に渡ってしまうと思いがけないトラブルに巻き込まれることになります。
そのため、事前にデータを削除しておくことが大切です。
個人情報の漏洩を守る
カーナビには、自宅住所やその他家族の住所をはじめ、行動履歴など多くの個人情報が含まれています。
カーナビの初期化をせずに車を売ると、第三者に全て個人情報を晒してしまうことになります。
これらの個人情報を守るためにも、車の売る前にカーナビを初期化するのが必要なのです。
カーナビの初期化せずに車を売る場合、必ずしも買取業者がカーナビを初期化してくれるとは限りません。
買取業者任せでカーナビの初期化をせずに車を売ると、思いがけないトラブルに巻き込まれることもあります。
事前に防ぐためにも、車を売る前に必ずカーナビを初期化するようにしましょう。
著作権保護法違反を防ぐ
カーナビには音楽データや映像データが保存されていることが一般的です。
これらの著作物データを第三者に譲渡したり販売したりすることは、著作権保護法違反により罰せられます。
カーナビの初期化を忘れてしまった場合は故意ではなくても、第三者に音楽データや映像データを間接的に譲渡することになってしまいます。
著作権保護法違反に触れる可能性があるため、車を売る前に必ずカーナビを初期化しておかなければいけません。
データの移行はできません
車を乗り換える場合、新しい車のカーナビにデータを移行したいと考える人は多いでしょう。
ですが、基本的にデータ移行はできないと考えてください。
カーナビのメーカー、製造年式、型式の全てが同じでない限りデータ移行はできません。
たとえメーカー、製造年式、型式が全く同じ出会ったとしても、機種によってはデータ移行に対応していないカーナビもあります。
乗り換える車に装備されているカーナビと、前の車に装備されていたカーナビが全く同じものである可能性は限りなく低いため、データの移行をするのは現実的ではありません。
カーナビを初期化する手順
カーナビを初期化する手順は機種やメーカーによって異なります。
ですが初期化自体はそんなに難しい作業ではありません。
自分でやるのが好ましい
まず初めに、カーナビの初期化はご自身でされることをお勧めします。
理由は個人情報を取り扱うからです。
ディーラーや買取業者に車を売る場合、カーナビの初期化をお願いしたくなる場面もあるかと思います。
ですが先ほどもお伝えしたとおり、必ずしもディーラーや買取業者がカーナビの初期化をしてくれるとは限りません。
もし万が一、カーナビの初期化を忘れたまま車を販売されてしまったら、個人情報が漏洩してしまいます。
ですので、できるだけご自身でカーナビの初期化を行うようにしてください。
取扱説明書を見て初期化する
カーナビの初期化方法は機種やメーカーによって異なるものの、基本的には「初期化する」という小目があるのが一般的です。
各機種ごとの取扱説明書に初期化手順が記載されています。
取扱説明書を読みながら、カーナビメニュー内で「初期化する」を探しましょう。
初期化が完了すれば、工場出荷時のまっさらな状態に初期化されます。
機種によっては、初期化する機能が存在しないカーナビも稀にあります。
初期化する機能がないカーナビの場合は、一つずつデータを削除していく作業が必要になります。
カーナビメーカーのサイトを見て初期化する
インターネットでカーナビのメーカーと型番を検索することで、PDF形式で取扱説明書を確認することができます。
ダウンロードをすることも可能ですので、取扱説明書が紛失してしまった方はダウンロードをしておきましょう。
後付けのカーナビの場合でも、メーカーと型番を調べれば取扱説明書をダウンロードすることができます。
ただし機種が古いカーナビの場合は、メーカーに取扱説明書が掲載されていないケースもあります。
音楽や映像データの取扱いについて
SDカードに音楽や映像データが保存されている場合は、フォーマット形式が同じであれば、SDカードを新しいカーナビに挿入すればデータを移行することが可能です。
しかし、カーナビ本体に録音した音楽や映像データに関しては、著作権保護法違反に当たるためデータの移行をすることはできません。
カーナビ以外で初期化すべき物とは
ETC
車を売る前に必ずETCカードを抜くようにしてください。
ETCカードを差したまま車を売ると、カードに記録されている個人情報が漏洩してしまいます。
ETCカードを抜き忘れてしまっても、車を買取したディーラーや買取業者がすでに車を販売してしまっていたらカードを回収するのが困難になります。
必ず変換されるとも限りませんので、車を売る前には必ずETCカードを抜き取りましょう。
ETC車載器本体に関しては個人情報を記録する機能はないので、つけたまま車を売っても問題はありません。
スマホのBluetoothデバイス
カーナビを初期化すればカーナビ側のBluetooth接続履歴は削除されますが、スマホ上の履歴は削除されません。
使わないBluetoothデバイスの履歴は削除しておきましょう。
削除方法はスマホの機種によって異なりますので、機種ごとにBluetoothデバイスの削除方法を調べるのが良いでしょう。
ドライブレコーダー
ドライブレコーダーには多くの個人情報が含まれています。
ドライブレコーダーの初期化を忘れてしまうと、自宅の映像をはじめとして毎日の通勤ルートや、車で移動したすべての詳細な履歴(いつどこで何をしていたのか、車内の会話など)がすべて漏洩してしまうことになります。
車を売る前に必ず初期化をしなければいけません。
ドライブレコーダーの初期化方法は簡単です。
機種によって多少の違いはあるものの、「設定メニュー」から「初期化」を選ぶ場合が一般的です。
くれぐれもドライブレコーダーの初期化は忘れないようにしてください。
カーナビの有無は査定に影響する?
結論から申し上げると、カーナビの有無は査定に大きく影響します。
車の査定では、JAAIの査定基準に沿って加点評価されていくため、カーナビの状態が良好であればあるほど査定額は高くなります。
ただし、カーナビはついていれば良いというものではありません。
カーナビの経年状態や、付属品や地図データ有無が大きく影響します。
JAAIにおけるカーナビの査定基準は以下の通りです。
1年落ち | 60点 |
---|---|
3年落ち | 40点 |
5年落ち | 30点 |
6年落ち | 20点 |
シガーソケットから電源を取るタイプ安価なカーナビに関しては、査定でプラスになる可能性が低いです。
カーナビの有無が評価されるのは、純正カーナビなどの内蔵タイプのしっかり装備するナビだけと認識しておきましょう。
純正カーナビは装着したまま売却がベスト
数あるカーナビの中でも、純正カーナビは購入者の中で一番人気です。
新車時に取り付けることができるメーカー純正やディーラーオプションのカーナビは、車種専用に設計されているため使いやすく、操作性も良いので高く評価される傾向にあります。
純正ナビがついている車両であれば、カーナビを取り外してしまうことでマイナス査定をされてしまう可能性があるので注意が必要です。
純正ナビの人気がある一方で、車種専用であるため取り外して他の車両に取り付けることが難しい側面もあります。
こうした理由から、純正カーナビは取り外さないで車を売るほうが良いとされています。
社外カーナビは機種に応じて決める
社外カーナビは汎用性が高いため、どの車両にでも取り付けができるように設計されているのが魅力です。
ただ金額によって大きな性能の差があるため、一概にすべてが良いとは言い切れません。
社外のカーナビの場合は機種に応じて、取り外すか取り付けたまま売るか決めるのが良いでしょう。
人気の高額カーナビであれば、車両につけたまま売るよりも取り外して専門店に買取してもらったほうが高く売れることもあります。
カーナビが壊れている場合の対処法
もしカーナビが壊れている場合は、そのまま車両につけた状態で車を売ったほうがいいでしょう。
カーナビは壊れていても、さして査定のマイナスになりません。
それよりも無理に取り外して車に傷をつけるほうが査定額が下がってしまいます。
装備したままの状態で査定に出すことをお勧めします。
カーナビを取り外す際の注意点
事前に処分方法を確認しておく
カーナビを処分する場合は、通常「粗大ゴミ扱い」となるため、一般的な家庭ゴミの「燃えないごみ」として捨てることはできません。
ご自身が住んでいる自治体か、もしくは粗大ゴミ回収業者に連絡をして処分をするようにしましょう。
無理に取り外さない
純正カーナビのようなしっかり装備されているナビに関しては、取り外すのに時間と手間がかかります。
無理に外そうとするとナビと車両の配線を損傷させてしまい、大幅なマイナス査定になってしまうかもしれません。
業者に任せるのがおすすめ
ご自身で取り外すのが難しい場合は、業者に依頼をするのが最も安全な方法です。
ただ、業者に取り外しをお願いすると工賃が発生します。
ナビによって取り付け方法が違うため、取り外し費用もナビによって異なりますが、
目安としては、5,000円〜15,000円ほどの工賃が発生し、作業時間は約60分~120分となります。
まとめ
まとめると以下の通りです。
- カーナビの初期化は個人情報を保護するため。
- カーナビの初期化手順は取扱説明書を見ながら行う。
- カーナビの他に、ドライブレコーダーの初期化やETCカードの抜き忘れもチェックしよう。
- カーナビは査定に影響するため、純正カーナビはつけたまま売るのが良い。
- カーナビは無理に取り外さず、業者にお願いするのが良い。
初期化を忘れてしまうと個人情報が漏洩してしまい、思わぬトラブルに発展しかねません。
車を売る前に必ずカーナビをはじめ、ドライブレコーダーなども初期化をしましょう。
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